消防

消防知識 その2 【消防訓練】

消防知識 その2 【消防訓練】

消防知識その1では、防火管理者に関する説明をさせていただきました。では、防火管理者がしなければいけない役割はいったい何でしょうか?その役割の中で、とても重要なのは、消防訓練となります。防火管理者が義務となる建物においては、消防法上、年2回以上の消防訓練が義務付けられます。その訓練を指導するのが、まさに防火管理者の務めであります。
消防訓練は、部分訓練(消火・通報・避難のいずれか)と総合訓練(消火・通報・避難全て)に分類され、年2回以上の中で、必ず1回以上は、総合訓練を実施しなければなりません。
消防訓練をより良いものにするには、以下の点が主なポイントだと感じます。
①建物に設置されている消防機器の概要を把握すること。※特に自動火災報知設備がポイントです。
②参加者は、自分の係だけではなく、全体の流れを把握すること。※有事では、万能性が問われます。
③総合訓練開始から5分間で何を行うかを明確にし訓練すること。
※通報から消防署員駆け付けがおおよそ5,6分であるため、現実的な時間想定が必要です。
④消防署員、消防点検業者などから、訓練後の講評をもらい、次回に活かすこと。※PDCAが大事です。
⑤最終的に、出火場所を設定せずに総合訓練を行えるようにすること。※現実的な有事を想定する。
継続は、力なりと言いますが、PDCAを意識しながら、毎回改善を図っておられる施設は、かなりのレベルに達します。コンプラという目線ではなく、有事における対応能力を向上させるために、有意義な消防訓練にして参りましょう。
消防設備士全8種類取得者 卯野 陽平